令和7年5月8日、労働安全衛生法及び作業環境測定法の改正が衆議院本会議で可決・成立しました。施行は令和8年4月1日(一部を除く)です。それでは、主な改正ポイントをご説明しましょう。
個人事業者にも安全衛生対策を拡大
混在作業による災害防止のため、注文者に災害防止措置を義務づけるほか、個人事業者自身にも安全衛生教育の受講や災害報告が求められます(一部令和9年施行)。
ストレスチェックを全事業場で義務化
従来は努力義務とされていた従業員50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が義務化されます(公布後3年以内施行)。
化学物質による健康障害防止の強化
危険性・有害性の通知違反に罰則が導入されるほか、営業秘密の開示条件の一部緩和、個人ばく露測定の制度化が進みます(令和8年10月施行ほか)。
民間による機械検査の拡大と管理強化
ボイラーやクレーン等の検査業務の一部が民間登録機関に拡大され、不正防止や検査基準の遵守が義務づけられます(令和8年1月施行)。
高齢者の労災防止を事業者の責務に
高年齢労働者の災害防止を企業の努力義務とし、国が対応指針を提示予定です。
まとめ
今回の改正は、個人事業者や小規模事業場、高齢者など、これまで制度の対象外となりがちだった働き手にも安全衛生の網を広げる重要な一歩です。各事業者においては、早めの制度理解と対応準備が求められます。